2012年09月08日
【第37号】RY COODER新譜、拝聴。

むむむ・・・ここ数年RYが元気だ。
唄は力強いし、ギターのサウンドはオーバードライブ気味で煽ってくるし。
そこに登場した新譜は”ELECTION SPECIAL”という無茶苦茶ホットなタイトル。
遅ればせながら、ようやく本日、拝聴。
そう、米大統領選にまさに「物申す」べく名づけられた「選挙特集」(テレビ的に言うと「選挙特番」かな?)。
日本人には考えにくい行動、というか、ここまで自分の支持するところを1枚のアルバムとして出しちゃうってところが、却ってアメリカの政治状況の酷さを表しているのかも知れない。
サウンド面では、世界各地の音楽を旅する内容ではなく、飽くまでもアメリカの伝統音楽に根差した曲ばかり。
もろブルースもあればブルーグラス的な曲もある、という感じ。
アメリカの伝統音楽の白も黒も呑み込んで、違和感なく聴かせるところはさすがにRYだ。
1曲目からタイトルが凄い。
Mutt Romney Blues!
共和党には大統領の席は渡さないぞ、とRYのアコギと息子・ヨアヒムのパーカッションだけでパワフルに幕開け。
歌詞の内容はまだすべて解読できていないが、少々時間をかけてゆっくり楽しみたい。
そう言えば、RYと言えばWoody Guthrieの唄を歌っていた。
Woodyの唄はアメリカの下層社会の人々の苦悩や苦境を訴える唄が多い。
そういう視点が今のRYを支えているのかも知れない。
この、激しく格差が拡大していく社会における弱者の視点からの唄。
もし、そうだとすれば、このELECTION SPECIALの意図するところがはっきり読み取れそうだ。
「もし」ではないな、必ずそうなのだと思う。
この怒りにも満ちたような力強さをもたらしているのは音楽性ではなく、明らかに政治性だ。
RYはきっと怒っているんだ。きっと。
そんな気がした新譜だ。
♪
石原守次郎
Posted by ishiharamorijiro at 17:47│Comments(0)
│音楽